検査のはなし

 

 お酒の強い人、弱い人がいます。これは、肝臓内のアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きの差によるものです。

 

 体内に入ったアルコールは、代謝により毒性のあるアセトアルデヒドになり、顔が赤くなったり、頭痛や吐き気が起きたりします。これを無害な酢酸に変えるのがALDHですが、働きが弱かったり、まったく機能しないタイプが日本人を含むモンゴロイドでは、約半数に及ぶといわれています。このため、お酒が飲めない人は、いくら頑張っても飲めるようにはなりません。

 

 「酒は百薬の長」とも言われますが、これは1日にビール1本以内、日本酒なら1合以内の場合です。毎日のように、大量の飲酒を続けたら、肝臓は疲れてしまい、脂肪の代謝がスムーズに進まなくなってしまいます。この結果、肝臓の細胞に脂肪が貯まってフォアグラのような脂肪肝になってしまいます。細胞が膨らみ、肝臓の中の血管を圧迫して、血流が悪くなり、肝臓の働きが低下してきますし、肝硬変になってしまう場合もあります。

 

 血液検査でおなじみのγーGTPは、タンパク分解酵素で、アルコール摂取により肝臓に異常が出た場合に、著しく上昇します。数値を軽視せず、生活習慣の改善に努めてください。

 

 

 


2009 年 3 月 18 日 by admin


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