現在、血液などの検査の大半は、自動分析装置によって行われています。このような装置は常に正しい結果を出すと思われがちですが、実際には測定時の環境や条件によって変わってしまうことがあり、チェックが必要です。
このときに使われる手法が「精度管理」で、内部精度管理と外部精度管理の二種類があります。
内部精度管理は、一般的に毎日同じ試料を測定することにより、結果が他の日と大きく変わっていないかを調べます。外部精度管理は、同じ試料を他の病院や検査施設に送り、一緒に測定することで、異なる結果が出ていないかを調べます。
これらの測定結果は、必ず同じ値になるわけではないので、ある程度の誤差範囲を決めておき、そこから外れているかどうかを調べます。もし、外れていたら、機械、試薬、測定方法などのどこに問題があるのかの原因究明を行い、速やかに改善処置を講じます。
このような精度管理によって、臨床検査データの正確性は保証されています。
(日本臨床衛生検査技師会・真鍋史朗)