花粉症をはじめ、私たちが暮らしている環境にはさまざまなアレルギーを引き起こすアレルゲンの存在が知られています。ハウスダスト、食べ物、化粧品、指輪などの装飾品、医薬品にいたるまで身近なものばかりです。
その中で軽視できないのが、金属アレルギーです。歯科治療に使われる、歯の欠損を補う金属、入れ歯、矯正に使う金属ワイヤ、チタンを使ったインプラント治療によっても金属アレルギーが起こる可能性があります。
これらの金属が唾液に触れ、イオン化すると上皮粘膜下組織の線維性組織と結合し、生体には存在しない異種タンパクになり、免疫機能が作動すると考えられています。
金属アレルギー検査には、パッチテストという方法を使います。たとえば金、銀、パラジウム、ニッケルなど1種類ごと溶かした溶液またはワセリンに溶かしたものを小さな丸いばんそうこうにしみ込ませ、被験者の背中に張り付けます。2日後に取り外してその皮膚の反応を「反応なし」「弱い紅班」「紅班と浸潤」というふうに判定します。歯科治療の場合は陽性になった金属を含む修復物を取り外し、症状の経過を観察し、アレルギーを起こさない金属で再治療する必要があります。