今週は、心臓と血管の超音波検査についてお話しします。
心臓超音波検査はベッドに横になっていただいた後、胸にゼリーを塗り、心臓の真上と思われる部分に探触子と呼ばれる小さな装置を当て、反射した波形を描写します。心臓は常に動いているため画像自体も動画となって表示されます。動きを観察することにより心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心疾患の診断の手助けを行うほか、心臓の壁の厚さなども計測することができます。近年、ドプラー法(動くものの速度によって、周波数が異なって観測されること)を利用し、血液の流れる速度まで計算できるようになりました。
血管の超音波検査としまして頸部超音波検査があります。首にゼリーを塗り探触子をあて、頚動脈を映し出します。頚動脈の中を描写することによりアテロームとよばれるコレステロールが血管の壁に付着していないかなどを調べます。このアテロームがはがれて血流とともに脳へ飛んでいくと脳梗塞という重篤な病気を起こしてしまいます。これ以外にも頸部超音波検査では甲状腺、耳下腺などの形や大きさなどのほかに内部の異常の有無についても検査を行っています。