医療機関での診断や治療に臨床検査データが必要不可欠なのは言うまでもありませんが、健診や検診においても臨床検査は重要です。
ところで「健診」と「検診」の違いをご存知でしょうか? 読み方は同じですが、健診は健康診断・健康診査のことを意味し、健康であるかどうかを調べるものです。それに対し、検診は特定の疾患を早期に発見し、早期に治療することを目的とした検査診断・検査診察を指します。
少し古いデータですが、2002年度の群馬県での基本健診とがん検診の受診率に興味深い事実があります。
この年の基本健診の受診率は63.4%だったのですが、これに対しがん検診は、胃がんが17.5%、大腸がん19.9%、子宮がん20.1%、乳がん21.8%、最も多い肺がんでも31.1%にとどまりました。このことから、健康診断は気軽に受けるが、たとえ早期でも「がん」が見つかることは尻込みする受診者の行動が垣間見えます。
もちろん、このような理由だけが受診率に影響を及ぼしている訳ではなく、受診意識の醸成や機会の確保も大切です。ことし四月から実施が義務付けられた特定健診・保健指導の成否も、今後の受診率を左右しそうです。