検査のはなし

 インフルエンザが流行しています。正しい知識を持ち、予防や周囲への感染拡大の防止に努めていただきたいと思います。

 

 インフルエンザは発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などを伴う感染症で、多くは1週間ほどで自然治癒しますが、乳幼児や高齢者などは、時に命にかかわる重篤な状態になることもあります。

 

 早期治療に役立つのが「迅速検査」です。外来でA型とB型のウイルスを同時に検査できるキットが普及してきて、かなり初期でも診断できるようになりました。綿棒で鼻やのどの粘膜の液を採取して調べます。最近の抗インフルエンザウイルス薬(リレンザ、タミフル)は、発症して2日以内なら有効とされており、医師が副作用などに注意しながら処方します。

 

 インフルエンザは、症状が出てから3~7日間はウイルスを排出すると言われています。熱が下がってすぐに人込みに出掛けたりすると、他の人にうつす恐れが高まります。十分な配慮が必要です。また、予防のためのワクチンは、摂取してもかかる場合があります。決して万能ではなく、かかった場合に重症化を防ぐための備えと考えてください。

 

(日本臨床衛生検査技師会理事 田中久晴)


2009 年 1 月 28 日 by admin


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