検査のはなし

 

 血液が流れる動脈の壁は、弾力があり柔軟性があります。血管壁の老化に伴い、この弾力性、柔軟性が失われた病気を動脈硬化症といいます。

 心臓の動脈が硬化すれば心筋梗塞や狭心症に、脳動脈なら脳血管障害につながり、生命にかかわる病気です。高脂血症が原因となって、動脈硬化症につながっていくことが多く、喫煙、飲酒、塩分の濃い食事、ストレスなどによって促進されます。

 この動脈硬化症をいち早く知るために全国で広く行われている検査が「ABI(足首と腕の血圧比)」と「PWV(脈派伝播速度)」です。

 

 難しそうな言葉ですが、内容はいたって簡単です。ベッドに横になって両腕と両足首の4カ所に血圧測定用のカフを巻き、心電図の電極を腕に、心音図のマイクロフォンを胸に装着。足首と腕の血圧を同時に2回測定することにより数値を測定します。検査時間は510分程度です。痛みもありません。検査の詳しい内容は次回に説明しますが、こうした簡便な検査で自分の血管を状態が分かれば、生活習慣を見直す動機づけにもなります。血圧や食生活などに不安のある人は、ぜひ調べてみてください。

 


2009 年 1 月 11 日 by admin


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