体内で炎症を起こす疾患には、感染症、がん、心筋梗塞などさまざまな種類があります。炎症の有無を調べる検査が「CRP(C反応性タンパク)」です。
CRPは、タンパク質の一種で、正常な血液の中にはごく微量しかみられませんが、体内で炎症が起きると、その量が増えます。
最初は、肺炎患者さんの血清中にあった肺炎球菌のC多糖体という成分に反応するタンパク質として発見され、CRPと命名されました。その後、炎症性の疾患を持つ患者さんの血液内で急増することがわかり、広く臨床検査に使われるようになりました。
CRPが高値だと炎症があると判断し、白血球数、末梢血液像(白血球の五種類の細胞のバランスなどを調べる)と組み合わせて総合的に判断していきます。同様に、炎症の有無を調べる検査として、赤血球の沈降速度を調べる「血沈」がありますが、CRPの方が血沈より数値の変化が早く現れ、早く消失するため、血沈は慢性炎症の指標として使われています。
近年、CRPが高い人にメタボリック症候群や高コレステロール血症が重なると、心臓病や脳卒中になりやすいことが明らかになっています。
(日本臨床衛生検査技師会 真鍋史朗)