私たちが音や言葉を認識するのは、大脳の「側頭葉聴野」という部分の働きです。音の刺激は、外耳から中耳、内耳を通って、脳に伝わっていきます。
聴覚障害には、前半の「外耳→中耳」の音を伝える部分にトラブルがある「伝音難聴」と、「内耳→脳」の音を感じる部分で起こる「感音難聴」、その両者が組み合わさった「混合性難聴」の三つのタイプがあります。
聞こえにくさを訴える患者さんには、検査をして難聴の程度やタイプを調べます。これを「純音聴力検査」と言います。最も基本的で重要な検査です。125~8000ヘルツまでのいろいろな周波数の音がいろいろな強さで出ますので、どこまで聞き取れるかを調べるわけです。
太鼓のようなドンドンと低い音、スズメの声のようなチュンチュン、鈴の音のような高いシャンシャンなどを、耳にヘッドホンを当て、聞こえている間にスイッチを押してもらいます。
この検査には、伝音難聴を調べる「気導聴力検査」と、内耳以降の感音難聴を調べる「骨導聴力検査」の二種類があり、骨導検査は、耳たぶの後ろにレシーバーを当て、耳の骨に直接振動を加えて調べます。
(日本臨床衛生検査技師会 及川雅寛)