検査のはなし

 

 病気の原因となる微生物について紹介します。

 

 微生物の研究には顕微鏡が不可欠です。16世紀末に顕微鏡が発明され、17世紀の中盤に微生物が発見されました。ペストやコレラ、腐敗、発酵などへの微生物のかかわりも、次々に解き明かされました。

 

 

 病原微生物は、菌体が小さいものから順に「ウイルス」「細菌」「真菌」に大別されます。ウイルスは、流行の新型インフルエンザなどで有名です。細菌は食中毒や結核などの原因となります。真菌は、一般的にカビと呼ばれ水虫などの原因となります。

 

 

 検査には、微生物の採取が必要です。当然ながら炎症が強い場所に多く存在しますので、その部位をぬぐい取ったり、注射針などで吸引したり、そこから排出されるものを調べます。たとえば肺炎であれば痰、腸炎であれば便、膀胱炎であれば尿が検体になります。

 

 

 採取した検体は微生物が際立つように染色し、顕微鏡で観察します。微生物の形状や染色の具合も貴重な情報です。ウイルスは普通の顕微鏡では見えませんので、検体を反応しやすいように処理して免疫学的方法で確認することもあります。

 

(日本臨床衛生検査技師会 百田浩志)


2010 年 4 月 20 日 by admin


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