検査のはなし

 

 

 脳波とは、脳の電気的活動を記録するもので「マイクロボルト」「ヘルツ」といった単位が使われます。マイクロボルトとは、波の振幅を示すもの。ヘルツは特定の周期の波が1秒間に現れる回数(周波数)のことです。これらを判読することによって、患者さんの脳の機能が客観的にわかります。

 

 

 はっきりと目が覚めた状態のときは、周波数の大きいベータ波(14~30ヘルツ)、目を閉じてリラックスしているときはゆったりしたアルファ波(8~13ヘルツ)、軽い眠りのときは、シータ波(4~7ヘルツ)、深い眠りのデルタ波(1~3ヘルツ)と、特徴的なパターンを示すので、波形から眠りの深さを知ることもできます

 

 

 脳波検査は、脳死判定にも使われます。「脳死は人の死」と定義し、家族の同意で子どもの臓器提供を可能にした改正臓器移植法が昨年7月、成立しました。

 

 

 脳死の判定基準には深い昏睡自発呼吸の喪失瞳孔の固定脳幹反射の消失平たん脳波の5つの確認事項があります。30分以上、脳波が平たんなままで、他の項目を満たした場合に、6時間の経過をみて変化がないことを確認し「脳死」と判定します。

 

(日本臨床衛生検査技師会 谷口薫)


2010 年 2 月 25 日 by admin


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