私たちは、お米や肉や魚などを食べ、それを体内でブドウ糖やアミノ酸に変えて命を支えています。この機能を「代謝」と言います。
しかし、まれに先天性の代謝異常をかかえて生まれてくる赤ちゃんがいます。見かけは元気でも、放っておくと健康を害したり、知的障害につながる場合もあります。このため、日本では1977年から先天性代謝異常症などを早期発見・治療するための「新生児マス・スクリーニング」を実施しています。
この検査は、生後4~6日の赤ちゃんを対象に行います。かかとから少量の血液を濾紙で採取し、検査機関に送って調べます。
アミノ酸代謝疾患のフェニールケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症、糖質の代謝異常であるガラクトース血症、内分泌疾患では、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症について調べます。
これらの検査は、保護者の方の希望により実施します。母子健康手帳別冊にある「先天性代謝異常検査依頼書」に必要事項を記入して、医療機関に提出してください。費用は行政が負担しますが、採血料は自己負担の場合が多く、おおむね3千~4千円程度です。
(日本臨床衛生検査技師会 町田幸雄)