検査のはなし

 

 

 手のしびれは、さまざな病気に現れる症状で、原因としては神経の圧迫脊髄の障害糖尿病などがあります。時に、脳の疾患が手のしびれにつながる場合もあり、原因を追及することはとても大切です。今回は、中高年の女性に多くみられる「手根管症候群」についてお話します。

 

 

 

 手根管とは正中神経が入っているトンネルで、手首の中央を走っています。それが何らかの原因により手首の部分で圧迫されると、親指から薬指にかけてのしびれを感じます。仕事などで手首の使いすぎた場合のほか、糖尿病、肥満、痛風、甲状腺機能低下症、リウマチなどが原因となることもあります。ひどくなると、親指の付け根のふくらみがやせてきて、物をつまみにくくなります。

 

 

 

 この病気は、筋電図検査ですぐ診断できます。筋電図検査は、手首に電気的な刺激を与えて、筋線維が興奮する際に発生する活動電位を記録するもので、その速度が遅ければ、手根管症候群です。この検査により、全体的なしびれ感だけではなく、それぞれの指にしびれを与える神経根の障害や知覚異常なども診断できます。しっかりと検査することが大切です

 

 

(日本臨床衛生検査技師会 町田幸雄)

 


2010 年 2 月 25 日 by admin


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