検査のはなし

 

 「STD」という言葉をご存じでしょうか。性行為を通じて感染する病気の総称です。発症に至っていない場合もあるため「STI」(性行為を通じての感染)と呼ばれることもあります。

 日本性感染症学会梅毒、淋病、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、エイズ、カンジダなど17種類を挙げています。

 STDに共通する対策は、予防、早期発見、早期治療ということになります。早期発見のためには検査が大切です。性感染症の検査というと、怖いイメージを持つ方もいるでしょうが、血液検査、膣分泌物検査、尿検査の3種類が基本です。症状によっては、患部の分泌物を採取して調べる場合もあります。多くの場合は、保険で受けられます。

 陰部の痛み、かゆみなど自覚症状があれば、検査を受けるようにしてください。また、自覚症状が現れにくい性感染症もいくつかあり、最も怖いのはHIV・エイズですが、行政の無料・匿名検査があるので、費用面の心配は要りません

 患者さんのプライバシーを守りつつ、性感染症への差別や偏見をなくしていくことが、早期の受診につながっていきます。

(日本臨床衛生検査技師会 坂本徳隆)


2010 年 2 月 22 日 by admin


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