検査のはなし

 

  世界エイズデー(12月1日)に合わせて、各地で啓発行事が行われています。臨床検査技師も、啓発行事での迅速検査に協力しています。わずか5ミリリットルの採血で検査が可能です。

 エイズとは「後天性免疫不全症候群」の略で、免疫の働きが弱っていき、さまざまな感染症やがんなどを発症して死に至る病気。その原因となるウイルスがHIVです。昨年、国内では、外国籍の人も含め1日平均4人以上のHIV感染またはエイズ発症が報告されています。他の先進国とは異なり、まだ増加傾向です。

 性行為を通じて感染することもあって、おぞましい病気というイメージが広まり、怖がる人も多いですが、治療の進歩により、HIV感染者のエイズの発症をかなり食い止められるようになってきました。検査で早期発見すれば、薬を飲みながら健康人と変わらぬ社会生活を送ることができます。しかし、検査の段階で既に発症していた「いきなりエイズ」のケースも増えています。

 不安を抱えながら、検査に行かないでいると、配偶者や恋人にも感染してしまう恐れがあります。各地の保健所などで実施している無料・匿名のHIV検査をぜひ活用してください。

(日本臨床衛生検査技師会 坂本徳隆)


2010 年 2 月 22 日 by admin


Copyright © Japanese Association of Medical Technologists. All rights reserved.