妊娠が判明したお母さんには、さまざまな検査が待っています。血液検査、尿検査、超音波検査などがあり、採血などは少しチクッとして痛いですが、そこからさまざまな情報を得ることができます。
妊娠初期の血液検査では、風疹抗体、トキソプラズマ抗体の有無などを調べます。もしお母さんが妊娠前半期に初めて風疹、トキソプラズマ症にかかると、赤ちゃんに重大な障害(風疹は心臓奇形・聴覚障害など、トキソプラズマ症は脳炎・水頭症など)を引き起こす恐れがあるからです。
尿検査では、尿中に蛋白、糖、ケトン体、血液などが混じっていないかを通院のたびに調べていきます。尿を試験紙につけて色の変化を読み取り、さらに尿を遠心器にかけて下に沈んだ成分(尿沈渣といいます)を顕微鏡で調べます。
一回きりのプラスは生理的な要因の場合もありますが、検査のたびに数回続けてプラスに出ると、蛋白は妊娠中毒症、糖は糖尿病あるいは妊娠糖尿病などの可能性があります。またケトン体は妊娠悪阻(重症つわり)、潜血は切迫流産のときにプラスとなることがあります。
次回は妊娠12週ごろの血液検査についてお話しします。
(日本臨床衛生検査技師会 小栗孝志)