検査のはなし

 

  獣肉を生で食べるのも、寄生虫に感染する恐れがあります。

 

 

  の肉、横隔膜などに寄生する「無鉤条虫」の幼虫は、大豆ほどの大きさですが、人の体内に入ると、小腸内で全長3~7メートルの成虫になります。腹部不快感、腹痛、下痢などの症状が出ることもあります。

 

 

  の肉、横隔膜、肝臓などに寄生する「有鉤条虫」の幼虫も大豆大で、人の小腸内で2~5メートルにも成長します。この虫は、卵を通じて寄生することもあり、腸内でふ化した幼虫が全身に運ばれ、皮下、筋肉、脳、脊髄などに袋を作ると重篤な症状を起こします。

 

 

 の肉には「トキソプラズマ」という原虫の塊ができていることがあり、生肉や生ハムなどを通して体内に入ります。猫の便も感染原因となります。無症状のことが多いですが、妊婦の胎盤から胎児に移行すると、水頭症などを引き起こす先天性トキソプラズマ症を発症することが、まれにあります。

 

 

 寄生虫検査には、便を調べるもの、肛門に特殊なテープを張って調べるもの、血液の免疫反応を調べるものなどがありますが、食生活の中で感染予防を心掛けるのが何より大切です。

 

(日本臨床衛生検査技師会 山本徳栄)

 


2009 年 12 月 8 日 by admin


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