今回は心電図を利用した検査を紹介します。
一般的な「12誘導心電図」は健診などでは10数秒、病院でも長くて数分しか記録しませんので、発作的な異常を見つけられるのはまれです。
長時間の観察には、入院中の患者さんであれば「心電図モニター」で対応し、外来の患者さんには「ホルター心電図」という装置を付けていただきます。24時間の心電図を記録できる装置で、10年ほど前までは、カセットテープに記録していましたが、今はメモリーカード、マイクロディスクなど記憶媒体の軽量化に伴い、小型になっています。
運動により、心筋梗塞などの発作を誘発する「負荷心電図」という検査もあります。患者さんの急な変化に対する薬や装置を備えた場所で、運動負荷をかけます。
手術後に寝たままの状態から数分座ってみるといった軽いものから、しばらく立っておく、距離や時間を決めて歩く、階段の上り下りをする、ペダルをこぐなど、さまざまです。前後や途中の心電図を比較することで、病気の有無や治療経過を判断します。
心電図以外に呼吸の状態を観察する装置を使う「心肺負荷試験」を導入する施設が増えています。
(日本臨床衛生検査技師会 百田浩志)