検査のはなし

 

 狭心症は、心臓の筋肉(心筋)に酸素を供給している冠動脈の異常により、胸痛発作や胸部圧迫感の症状が出る病気です。冠動脈の動脈硬化やけいれんによって、血流が悪くなることで起こります。

 運動しているときに発作を起こす労作型狭心症と、明け方の安静時に発作を起こす異型狭心症があり、ともに胸の締め付けられるような痛みが特徴です。発作は、短い人で数分、長い人では十数分続くこともあります。放置すると、心筋梗塞につながることもある病気です。

 この狭心症を調べるのは、心電図検査です。両手首・両足首と胸の6カ所に電極を装着し記録します。異常があれば波形に変化が起こり、診断の手助けとなります。

 心臓に負荷をかけて状態を調べる検査もあります。トレッドミル運動負荷試験は、電動式ベルトの上を歩き、心拍数を速くして検査します。労作型狭心症の診断に大きな役割を果たします。

 また、異型狭心症に有用なのはホルター心電図検査です。胸の4、5カ所に電極を装着し丸1日連続した心電図を記録するとともに、24時間の綿密な行動記録を付けてもらいます。行動と発作との関係をつかむための検査です。

日本臨床衛生検査技師会 長迫哲朗)


2009 年 10 月 15 日 by admin


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