めまいの原因を調べるために、めまいを誘発させる検査もあります。
「視運動性眼振検査」は、電車の窓から外を見るような感覚で、目の前を次々に通過する縦のしま模様を見つめてもらい、目の揺れの大きさや回数、速度を調べます。自分が回っているような錯覚を覚える検査です。しま模様を追い掛ける際のゆっくりした動き、目が元の位置に戻る際の速い動きを調べ、その左右差などを確認します。脳幹障害、小脳障害、中枢障害などがある場合は、目の動きの間隔や速度に異常が現れます。
耳の中に冷水や冷たい空気を入れて内耳を刺激するカロリックテスト(温度刺激検査)という検査もあります。外耳道が冷えて三半規管の機能が低下すると、三半規管が正常な場合にはめまいが起こります。めまいの程度が小さいか、まったくない場合は、機能に異常があるわけです。
一口にめまいといっても、その症状や原因はさまざまです。脳からのめまいが疑われる場合は、コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)を使うこともあります。突然やって来るめまいには、早期治療が有効なことが多いので、不安を感じたら早めに受診し検査することをお勧めします。
(日本臨床検査衛生技師会 町田幸雄)