関節リウマチ(RA)という病気は、これまで症状が進まないと確定診断がつかない場合がよくありました。早く分かれば進行を食い止められる可能性も高く、患者さんの利点も大きいわけです。そのための新しい臨床検査として「抗CCP抗体」「CARF」という項目を測定するようになってきました。
先週に紹介した「リウマトイド因子」は、この病気以外の方からも多く検出されるという問題がありますが、「抗CCP抗体」や「CARF」は、陽性ならかなり高い確率でRAであるか、あるいは将来RAに進むことが考えられます。健康保険の適用にもなっています。ただし、陰性であってもRAでないとは断定できません。
症状の面から調べる検査としては、MRI(核磁気共鳴画像撮影)や超音波も用いられるようになりました。これは、手指関節をよりていねいに撮影することにより、関節中の滑膜という部分のわずかな増殖を観察し、早期のRAを見逃すことなく診断につなげるものです。
このように医師が触診や問診と臨床検査を組み合わせることで、より早期に確定診断し治療を開始することが可能になってきました。
(日本臨床衛生検査技師会 土居修)