血液が血管内を流れるためには、液体成分と細胞成分が適度の割合を保つことが必要です。赤血球量が増加すると血液の流れが弱くなるため、血液を送りだそうとして高血圧になります。また、流れが滞るため血管内に血栓ができやすくなり、脳梗塞、心筋梗塞などの原因にもなりえます。
血液1dl中のヘモグロビン量が男性18.5グラム、女性で16.5グラムを超すと、赤血球増加症または多血症と呼ばれます。一般に「血が濃い」と言われる状態です。この状態は、血漿(血液中の水、タンパク質など)の成分が少なくなって起こる「相対的増加」と、血漿成分の量が変わらないのには赤血球量が多くなる「絶対的増加」に分かれます。
相対的増加は、発熱、下痢などの脱水症状から起きるもの、ストレスによるものがあります。絶対的増加は、赤血球系細胞を増やすエリスロポエチンが過剰に産生される場合や、血液のがんによって引き起こされる場合があり、専門医への受診が必要となります。
健康診断で血液を調べることが発見の糸口なりますので、かかりつけの医療機関で健康診断を定期的に受けることをお勧めします。