貧血とは、血液中の赤血球や、酸素を運搬するヘモグロビンが減少した状態です。貧血になると十分に酸素を送り込むことができず、さまざまな症状が現れます。
顔色が悪い、動悸や息切れがするなどの自覚症状がある場合と、徐々に進行し自分では気がつかず、検査で初めて発見される場合とがあります。
血球検査(赤血球数とヘモグロビン量、ヘマトクリット値)、やその測定を基に計算した赤血球指数、網状赤血球、血液像などの血液検査をすることで、ある程度は診断がつきます。しかし貧血の種類や原因はさまざまです。
たとえば、食事の偏りが原因で鉄分が不足する。胃が萎縮して赤血球を作る成分(ビタミンB12、葉酸)の吸収がされない。ある種の薬剤や自己抗体により、赤血球が寿命(120日)より早く壊れるなど。
種類と原因を探るために、赤血球の生産を促す糖タンパクホルモンの量を調べたり、胃カメラ、便潜血などの検査をしていきます。中には、白血病、再生不良性貧血などの重大な病気が隠れている場合もあり、血液を作る骨髄に針を刺して調べることもあります。