ピロリ菌の感染の有無を調べる検査には、内視鏡を使わないものもあります。
副作用のほとんどない検査薬を使う「尿素呼気試験」は服用前と後の呼気を測定するものです。胃の中にピロリ菌がいる場合は、検査薬の尿素がアンモニアと二酸化炭素に分解されます。この検査薬で使われる二酸化炭素は自然界にわずかしか存在しないため、高い精度で簡便に、菌の有無を確かめることができます。
このほか「血液・尿抗体検査」は、ピロリ菌に感染すると血液中にできる抗体を調べるもの。便を採取して菌の抗原の有無を調べる「便中抗原検査」もあります。これらの検査で菌が見つかれば、除菌の治療が始まります。
除菌には、2種類の抗生物質と1種類の胃酸抑制剤が用いられ、胃か十二指腸の潰瘍を合併した例にのみ保険が適用されます。
今年1月、日本ヘリコバクター学会は新たなガイドラインをまとめ、胃にピロリ菌がいる場合、「ピロリ菌感染症」であると定義。ピロリ菌を取り除くことが胃がん予防に役立つとして、除菌治療を勧めています。
胃の健康に関心を持つとともに、検査にさまざまな種類があることも覚えておいてください。