呼吸器の病気の診断に役立つ「肺機能検査」には様々な種類がありますが、一般的なのは肺活量や一秒率を調べるものです。
以前は肺活量の測定に、水の中に浮かんだ容器に息を吹き込み、その浮き具合によって肺活量を割り出していました。しかし水の抵抗などで正確に測定できないため、今は筒内を通過する息をセンサーで計測する方法が主流です。
肺活量は体格や年齢によっても異なるため、性別、身長、年齢から計算式を用いて数値を予測し、実際に測定した数値を百分率で表します。この値が80%以下の場合を「拘束性換気障害」といいます。胸水貯留、胸膜肥厚などで胸部の空間が狭くなり肺が広がるのを妨害しているか、間質性肺炎、肺がんなどで肺自体が硬くなっている状態が疑われます。
一秒率は、大きく吸って勢いよく吐き、一秒間に肺活量の何%を吐き出せるかの検査で、70%以下だと「閉塞性換気障害」。気道が狭くなっている状態を示し、肺気腫、気管支ぜんそくなどが疑われます。
また、肺活量、一秒率ともに低い値を示すと「混合性換気障害」といわれ、気管支ぜんそくに間質性肺炎を併発している状態などが疑われます。