厚生労働省の国民健康・栄養調査(2006年度)によれば「糖尿病が強く疑われる人は820万人、可能性が否定できない人は1050万人。人口の15%にあたる1870万人が糖尿病またはその手前の状態で、「国民病」というべき事態になっています。
糖尿病とは、血液中の血糖値が通常より高い状態を指します。肥満などで内臓脂肪が増えると、血糖値を調節するインスリンの濃度が高くなり、その濃度を下げるために血液の量が増え、血圧が上がるという悪循環を起こし、さまざまな合併症につながります。
病状が進行しなければ自覚症状が出にくく、患者本人が軽く考えやすいことが問題で、早期発見・治療のために臨床検査が重要になります。
よく使われるのは血糖値と「HbA1c」の検査です。血糖値は採血時の糖分の状態を表します。HbA1cとは、赤血球のタンパクであるヘモグロビン(Hb)にブドウ糖が結合したものの一部で、過去1~2カ月の血糖の総合的な高さを反映するといわれます。
糖尿病の予備軍は、40代以降急激に増加します。この年代以上の人は、健康診断などを毎年必ず受け、糖尿病の疑いがあれば早めに対処することが大切です。